Born Too Late

Yuya's old tech blog.

Ubuntu 上に IS01 の開発環境構築 #2 PhoneGap 編

2010-11-23 14:32:35
  1. #1 Android SDK 編
  2. #2 PhoneGap 編
  3. #3 実機にデプロイ編

PhoneGap とは

PhoneGap は、 HTML/CSS/JavaScript でスマートフォンアプリを開発するためのフレームワークです。複数のプラットフォームに対応しており、 Android だけでなく iPhone や iPad のアプリも開発できます。

PhoneGap が用意した API を、 JavaScript を通じて呼び出すことにより、より低レイヤの、位置情報やカメラにアクセスすることもできます。

この記事では、前回の #1 Android SDK 編から引き続き、 Ubuntu で Au の IS01 上で動作する Android アプリを構築する上での、環境構築について紹介します。
今回は PhoneGap をインストールし、アプリをエミュレータ上で実行するところまでやります。

必要パッケージ

PhoneGap/Android をインストールする前に、以下のものが必要になります。

私の場合は、どれも既に入っていたようで、今回は特に作業を行っていないので、手順は省略します。
Android SDK のインストールについては前回の記事で紹介しています。
他は、基本的に aptitude 等のパッケージマネージャで簡単にインストールできると思います。

PhoneGap/Android のインストール

GitHub から最新の安定版をダウンロードします。 2010 年 11 月 23 日現在は、 0.9.2 が最新のようです。

phonegap's phonegap-android at master - GitHub

ダウンロードしたら、展開して、 /opt といったディレクトリにインストールしましょう。

$ tar xvzf phonegap-phonegap-android-0.9.2-0-gf725404.tar.gz
$ sudo mv phonegap-phonegap-android-e1560e0/ /opt/phonegap-android

~/.bashr 等に以下の行を足して、パスを通します。

# PhoneGap/Android
export PATH=$PATH:/opt/phonegap-android/bin

保存したら、以下のコマンドで ~/.bashrc を再読み込みし、反映させます。

$ source ~/.bashrc

これで、 droidgap というコマンドが有効になっているはずです。

スケルトンアプリの生成

以下のコマンド、スケルトンが生成されます。ここで生成されるコードを元に開発していくことになります。

$ droidgap gen example

example というディレクトリが生成され、中は以下のような構成になっているとおもいます。

$ cd example
$ ls -l
合計 40
-rw-r--r-- 1 yuya yuya 2000 2010-11-23 13:54 AndroidManifest.xml
drwxr-xr-x 3 yuya yuya 4096 2010-11-23 13:54 assets
drwxr-xr-x 2 yuya yuya 4096 2010-11-23 13:54 bin
-rw-r--r-- 1 yuya yuya  697 2010-11-23 13:54 build.properties
-rw-r--r-- 1 yuya yuya 3202 2010-11-23 13:54 build.xml
-rw-r--r-- 1 yuya yuya  380 2010-11-23 13:54 default.properties
drwxr-xr-x 2 yuya yuya 4096 2010-11-23 13:54 libs
-rw-r--r-- 1 yuya yuya  419 2010-11-23 13:54 local.properties
drwxr-xr-x 7 yuya yuya 4096 2010-11-23 13:54 res
drwxr-xr-x 3 yuya yuya 4096 2010-11-23 13:54 src

スケルトンアプリをエミュレータ上で起動する

ターミナルをもうひとつ起動し、そちらで android コマンドから Android SDK and AVD Manager を起動し、エミュレータを起動します。
ここの手順についても、前回の記事で紹介した通りなので省略します。

エミュレータが起動したら、以下のコマンドで example アプリをビルドし、エミュレータ上で起動します。
コマンドは example ディレクトリの中で実行してください。

$ ant debug install && adb logcat

上手くいけば、アプリがエミュレータ上にインストールされるとともに、デバッグログがターミナル上に流れます。

なお、このとき IS01 実機を USB で PC に接続していると上手くいかないことがあるようなので、一旦外しておいてください。
実機上でのアプリの動作については、次回以降紹介する予定です。

アプリはメニューから起動できます。

[caption id="attachment_790" align="aligncenter" width="300" caption="メニューを持ち上げます"]Android Emulator[/caption]

[caption id="attachment_791" align="aligncenter" width="300" caption="example アプリがメニューに追加されている"]example app is added[/caption]

[caption id="attachment_792" align="aligncenter" width="300" caption="example アプリを起動する"]Executed example app.[/caption]

ただし、これでは普通のアプリをインストールしたのと、違いがわからないと思うので、ソースを見てみましょう。
アプリのソースは、 ./assets/www/ ディレクトリ内にあります。

$ cd assets/www/
$ ls -l
合計 100
-rw-r--r-- 1 yuya yuya  4581 2010-11-23 13:54 index.html
-rw-r--r-- 1 yuya yuya  1612 2010-11-23 13:54 master.css
-rw-r--r-- 1 yuya yuya 87949 2010-11-23 13:54 phonegap.js

ごらんの通り、 HTML と CSS と JavaScript ですね !
中身のソースも、ウェブアプリを作ったことのある人であれば、比較的馴染みのあるものだとおもいます。

まとめ

今回は、 PhoneGap/Android のインストール方法と、スケルトンを生成し、エミュレータ上で実行する方法について紹介しました。
次回は IS01 実機上へのアプリのデプロイ・実行について紹介する予定です。

ゲーム業界から音楽業界への、 3 つの批評的教訓

2010-11-23 12:37:39

はじめに

以下の記事は、 3 Things The Music Industry Can Learn From Gaming の翻訳です。
この記事も、元々は Albin Serviant: 3 critical lessons for music professionals, from the video games industry というロングバージョンがあるのですが、ハードル高めなので、先の短い記事を選びました。
両方読んでみましたが、重要な部分はしっかり抽出されていると思います。

誤訳等ありましたら、コメントや Twitter にご連絡いただければ幸いです !
私は英語が大の苦手で、勉強がてらの翻訳なので、ご指摘いただいて、より正確にこの記事を理解することが目的でもあります。

音楽産業がゲームから学べる 3 つのこと

MDEMblog にて、対話的な音楽企業の CEO である Albin Serviant は、音楽のプロがゲーム業界から学べる、 3 つの批評的な教訓を提案している。

  1. 消費者は、楽しんでいるとき、ソーシャルであることを好む
  2. 消費者は、エンタテインメントを個別化することを好む
  3. 消費者は、競争を通じて地位を獲得したがる

Serviant によれ、「今日のファンは、単なる曲以上のものを求めている。」ということだ。「彼らは、ソーシャルな環境の中で、参加型の個別的な体験を求めている。これは、彼らがアナログの世界で友人と LP を聴くようなときに抱いているものであり、今やデジタルの世界でもそれを探している。」

あわせて読みたい

Ubuntu 上に IS01 の開発環境構築 #1 Android SDK 編

2010-11-23 05:14:28

Ubuntu 上に IS01 の開発環境構築シリーズ

  1. #1 Android SDK 編
  2. #2 PhoneGap 編
  3. #3 実機にデプロイ編

はじめに

せっかく Android が手に入ったので、アプリを作ってみようと勉強中です。主にネットと、 Kindle で買ったオライリー本を参考にしています。

せっかくなので、このブログにも作業手順をメモしていこうと思います。
開発環境はいろいろあり得ますが、ここでは私自身の環境である Ubuntu, IS01 を前提に説明します。

大まかな順序としては、以下のように進めて行く予定です。

  1. Android SDK のインストール
  2. PhoneGap のインストール
  3. IS01 実機の設定
  4. サンプルアプリの生成・デプロイ

PhoneGap での開発についての書籍なので、まずはそれに倣う形となっていますが、後々は Titanium 等にも手を出して、紹介していければというところです。

というわけで、今回は Android SDK のインストール手順について紹介します。
なお、今回については、ほとんど IS01 に限らない話になるので、他の Android 端末でも同じ手順で問題無いと思います。

私の環境

Ubuntu 10.04 にて検証しております。
といっても、これより多少 (古い|新しい) バージョンでも基本的には問題無いと思います。

$ cat /etc/lsb-release
DISTRIB_ID=Ubuntu
DISTRIB_RELEASE=10.04
DISTRIB_CODENAME=lucid
DISTRIB_DESCRIPTION="Ubuntu 10.04.1 LTS"

Android SDK のインストール手順

Android Developers サイトの Android SDK のページから、 Linux 用のパッケージをダウンロードし、展開します。

$ wget http://dl.google.com/android/android-sdk_r07-linux_x86.tgz
$ tar xvzf android-sdk_r07-linux_x86.tgz
# インストールディレクトリはとりあえず /opt とする。
$ sudo mv android-sdk-linux_x86/ /opt

パッケージを展開したら、 SDK のディレクトリにパスを通します。 ~/.bashrc 等を開いて、以下の行を追加します。

# Android SDK
export PATH=$PATH:/opt/android-sdk-linux_x86/tools

保存したら、以下のコマンドで ~/.bashrc を再読み込みし、反映させます。

$ source ~/.bashrc

これで、 android コマンド等が有効になったはずです。
ターミナルで $ android コマンドを実行すると、以下のような画面が立ち上がります。

[caption id="attachment_741" align="aligncenter" width="300" caption="Android SDK and AVD Manager"]Android SDK and AVD Manager[/caption]

Android Virtual Device の生成

次に、 Android Virtual Device を生成し、それをエミュレータで起動してみましょう。

SDK をインストールしただけでは、エミュレータで起動する仮想デバイス (Android Virtual Device) はどこにもない状態なので、インストールします。
先ほど起動した Android SDK and AVD Manager を利用します。

[caption id="attachment_742" align="aligncenter" width="300" caption="インストール可能なパッケージ"]Available Packages[/caption]

IS01 では OS のアップデートが断念されたので、 Android 1.6 より上のバージョンを入れてもしょうがないのですが、今後別の端末を購入する可能性もありますし、とりあえず全部入れちゃいましょう。
全てのパッケージを選択した状態で、 Install Selected ボタンを押します。

[caption id="attachment_743" align="aligncenter" width="300" caption="インストールするパッケージを選択する"]Choose Packages to Install[/caption]

再びインストールするパッケージについて聞かれるので、 Accept All にチェックを入れ、 Install ボタンを押します。
インストールには数分かかるので、しばし待ちましょう。

インストールが完了すると、以下のように Installded Packages というところにリストアップされます。

[caption id="attachment_744" align="aligncenter" width="300" caption="インストールされたパッケージ"]Installded Packages[/caption]

パッケージが全てインストールされたことを確認したら、 仮想デバイス (Android Virtual Device) を生成します。
Virtual Devices というメニューを選択し、 New ボタンを押します。
画面が現れたら、以下のように入力しましょう。

[caption id="attachment_745" align="aligncenter" width="240" caption="仮想デバイス (Android Virtual Device) の生成"]Create AVD[/caption]

Create AVD ボタンを押すと、生成が行われます。
完了したら、生成した AVD を選択し、 Start ボタンを押します。
すると、以下のようなエミュレータが立ち上がります。 (多少待たされます)

[caption id="attachment_746" align="aligncenter" width="300" caption="エミュレータの起動画面"]Emulator[/caption]

実際にブラウザ等のアプリを立ち上げて、実験することもできます。

ここまでで、 Android SDK のインストールはひとまず完了です。
次回は、 HTML, CSS, JavaScript で Android アプリを開発するための開発環境、 PhoneGap をインストールします。