好きな Doom Metal のバンドを紹介していく
Doom or Be Doomed!
その昔、就職活動中に Leaf Hound Records の小林トレノさんに「社員にしてください」とお願いして断られたことのある @yuya_takeyama です。
この記事は METALバンド Advent Calendar 2015 の 12 日目の記事です。
昨日は Natsumi Akai さんの「we have a tank」ウォー・メタル、Sabaton!! でした。
さて、今日の記事ですが、今日は土曜日・安息日ですね。
そして安息日といえば黒い安息日・Black Sabbath ですね。
というわけで Black Sabbath を始めとするドゥームやその周辺ジャンルのバンドを、特に脈絡なく紹介していきます。
ドゥームメタルというジャンルは聴いたことある・興味あるけどどれから聴いていいかわからない方はどうぞご覧ください。
元祖 Doom Metal、Black Sabbath
Doom Metal の元祖にして Heavy Metal の始祖、そして 1990 年代のグランジブームにもそのルーツとして再評価・リスペクトを集めるなど、長きに渡って活躍しています。
一言に Doom Metal といっても様々な形がありますが、Black Sabbath 自身も初期のサイケ・ブルーズ寄りのハードロックを聴かせる 1st、War Pigs や Iron Man にタイトル曲といったヘヴィかつキャッチーでもある代表曲を詰め込んだ 2nd、ヘヴィネスの追求を押し進めた 3rd・4th、プログレ的な実験性も取り入れた 5th・6th、音楽的にもバンドの方向性的にも崩壊と向かった 7th・8th など、10 年足らずの短い期間でどんどん音が変化しています。
そしてその後は Rainbow 脱退後の Ronnie James Dio を迎えると様式美メタルへと大きく変わり、そちらでも成功を納めるものの、ドゥーム性は完全に失われてしまう。
その後、元 Deep Purple の Ian Gillan が加入して発表した Born Again においては Ozzy 時代ともまた違う悪魔的メタルを聴かせてくれたこともあったものの、その後はまた様式美メタルへと戻っていく。 (中でも 1990 年の Tyr は超名作なんだけどここでは割愛)
アルバムをオススメするとすると、いろいろあり過ぎて困るんだけど、やはり最初は 2nd の Paranoid
が一番聴きやすく、よりヘヴィなのがよければ 3rd の Masters of Reality や 4th の Vol.4 に進んでもいいし、もっと古臭いハードロックが聴きたければ 1st の Black Sabbath を聴けばよいでしょう。
Black Sabbath に次ぐ古参にして未だ現役、Pentagram
結成は Wikipedia によると 1971 年、その後度々の名称変更やメンバー変遷を経つつも現在も現役としてライブ活動を行うベテラン中のベテランバンドです。
アルバムデビューは意外と遅く、1985 年にリリースされた Pentagram (後に Relentless) が 1st だが、これが名作中の名作。Black Sabbath に通じるキャッチーさと沈み込むヘヴィさが共存した 1 曲目 Death Row、絶望的なリフが印象的な All Your Sins、一転してアップテンポな Sign of the Wolf (Pentagram) 等名曲が目白押し。他にオススメするとすれば、より埃臭いサイケなブルーズロックが好きな人には First Daze Here: The Vintage Collection や First Daze Here Too といった 1970 年代に録音されたデモ音源がオススメ。Too の Disc 1 は割とキャッチーな曲が多く、The Rolling Stones の Under My Thumb のカバーなんかも入っている。だけどこの時代で一番オススメなのはコンパクトながらもリフが恐ろしく印象的な Forever My Queen。
Doom Metal を体現するバンド、Saint Vitus
Pentagram よりは遅れるものの、1978 年代に結成し、1980 年代以降に活躍、メンバーを変えつつ現在も活動している。
Pentagram と並び称されるぐらいにリスペクトを集めるバンドだが、これまでの 2 バンドに比べると段違いのアンダーグラウンド感を持っている。
元々 Black Flag の SST Records からアルバムをリリースしており、音楽的にも影響を受けていることから、そういった出自である。
Saint Vitus の特徴といえば、Dave Chandler の極度にスローかつノイジーなギターもそうだが、ボーカルの Scott Wino Weinrich も紹介しないわけにはいかない。
元々は線の細いハイトーン系ボーカルが前任で、そのときはそのときでいい曲を出していたりするものの、一般的にはこの Wino (ワイノ) こそが Saint Vitus のフロントマンであり、Doom Metal を体現してきた男とされている、と思う。
Wino は Saint Vitus 以外にも、リーダーとしていくつものバンドを率いており、優秀なシンガーであるだけでなく優秀なギタリストでもある。
Saint Vitus では残念ながらギターを弾くことはあまりないが、強烈な個性を放つボーカルも唯一無二で、Saint Vitus の音楽的イメージを強烈に形作っている。
アルバムとしては代表曲目白押しの Live から入門し、気に入ればこのブログの名前になっている Born Too Late を聴いてもらいたいところだけど現状入手が難しいのが残念なところ。
Apple Music なら普通に聴けるのでそっちで我慢してください。
ドゥームとハードコアとブルーズの融合、Eyehategod
Eyehategod は Doom Metal というよりは Sludge というジャンルに括られることが多いと思いますが、あえてこちらで。
Sludge というのは Doom と Hardcore の融合で、Black Flag 辺りをルーツとした圧殺するかのようなリフを特徴としたジャンルです。
Eyehategod は割と不思議で、そんな Sludge とブルーズが高密度で混ざり合ったような、それでいてやはり容赦のないリフ・シャウトとグロテスクなジャケが特徴のバンドです。
基本的には遅い曲をやるバンドですが、ハードコアをルーツにしていることもあって速い曲もたまにあってそれもまたたまらなくカッコいいです。遅かろうと速かろうとどうしても Eyehategod の音になってしまうのは不思議といえば不思議だけど、だがそこがいい。
アルバムとしては 2nd の Take as Needed for Pain、4th の Confederacy of Ruined Lives もいいし 14 年ぶりに出たセルフタイトル もまた最高だったので、だいたいどれ買ってもいいと思います。
ホラー映画の世界を具現化、Blood Farmers
Blood Farmers は僕の人生において最高の Doom Metal バンドであると断言できます。かの Leaf Hound Records が最初にリリースしたのが、1991 年のデモ Eyehategod の再発 (ただし、ボーカルのみ再録) でした。
ヘヴィかつグルーヴィーなリフ、Dave Depraved によるフリーキーなギターソロ、10 分を超える曲もそれと感じさせない構成の妙と演奏の熱、どれをとっても唯一無二の存在です。
メンバーが重度の B 級ホラー映画ファンで、ほとんどの曲・アルバムが映画をモチーフにしているところもポイント。
Blood Farmers というバンド名も Invasion of the Blood Farmers という映画から取られたもの。
曲のイントロ・アウトロでも映画のワンシーンが引用されたりと、アルバム全体の雰囲気はホラー映画のそれに統一されている。
3 枚出ているアルバムのちダントツでオススメなのは Permanent Brain Damage だが残念ながら現在は入手困難なので、見つけたら即救出しましょう。
それ以外は公式サイトから変えるようです。
他にも聴いてみたい場合
挙げればキリがないのでとりあえずこの辺で。
他にも聴いてみたい、という人は入門系の動画とかを探してみると良いのではないでしょうか。
あとは音楽ライター山ちゃんの Stoner Discography でいろいろなバンドを知ってもいいし、新しい情報が必要なら 2ch のドゥーム/ストーナー/スラッジスレなんかに行ってみるのも良いでしょう。
それでは今回はこの辺で。
Doom or Be Doomed!