Born Too Late

Yuya's old tech blog.

Quipper に入社してました

2015-11-02 07:00:36

2018/06/09 追記:
現在Quipper は積極採用中です。詳しくはコーポレートサイトキャリアトレックをご覧ください。


ちょうど 2 ヶ月前に退職についてについて書いていたけど、その翌週の 9 月 7 日から Quipper で働いていた。

初出社 & 初プルリ済みです pic.twitter.com/PvmeYlgKpb

— Yuya Takeyama (@yuya_takeyama) 2015, 9月 7

入社当日に Twitter に書いたりしていて、全然隠していたわけではないのだけど、さすがに入って直後だと「転職したぜイエーイ!」で終わる個人の日記レベルのことしか書けないだろう、ということでしばらく放置していた。
いまは入社から 2 ヶ月ほど経ち、日々の仕事や社内の雰囲気にも慣れてきたので、そういうところも紹介も添えて「転職してたぜイエーイ!」的な個人の日記を書いておこうと思う。

Quipper について

Quipper の事業内容については日本国内ではまだまだちゃんと知られてないと思う。僕自身も面接を受けに行って話を聞きにいくまでは、教育関連をなんか海外でやってるらしい、という程度しか知らなかった。
ただ、最近は買収の件もあっていろいろ記事もでているので、そちらを見てもらうのが良いと思います。

何故 Quipper を選んだか

今回の転職活動では、もちろん Quipper 以外にも何社か受けていた。といっても合計 5 社しか応募していないのだけど、技術力が高く、エンジニアとして学べるところの大きそうな会社から選んでいた。
Quipper については、中の人たちのブログ等での露出で以前から技術力の高いスタートアップとしてのブランドが確立していたと思う。

その次に意識していたのは、海外との関わりのありそうな会社であること。エンジニアをやっていく上では英語力がネックになることも多々あったので、仕事で英語力が必要とされる会社が良いと思っていた。
その点では受けた会社は様々で、海外進出を目指している所、海外進出しているところ、海外にユーザがいるところなどあったけど、Quipper については海外で創業して海外に多数のユーザを抱えており、GitHub 上でのコミュニケーションはほぼ全て英語、という環境で文句なしだった。
それなら最初っから海外に行けよ、というツッコミもありそうだけど、日本にいて日本人に囲まれた安全圏でありながら適度に自分を追い込める、という意味ではこれ以上の環境はなかなか無いと思う。

あとは社内の雰囲気が良かったのも選ぶ上でポイントになったと思う。面接を受けた数日後に Quipper Drinkup (まぁぶっちゃけると採用イベント) というのに誘われて行ってみて、いろんな話を聞くことができたし、その他にも「良ければ」ということでエンジニア中心とした食事の席を用意してもらって、そこでもいろんな話をした。
イギリスにいる CEO や、インドネシアにいる日本人スタッフとの Skype 面談の機会をもらえたのも何気に大きかった。既に内定はもらって他社と迷っている段階だったので、採用への本気感を感じて大きくなびいたのを覚えている。ベンチャーとはいえ、社員数的にもサービスの規模的にもスタートアップの域はとっくに脱している会社だったので、直接の面談ができるとは思っていなかったし。

Wantedly での転職活動について

転職活動はほぼ Wantedly だけで行った。最初はいくつかのサービスを使ってみよう、と思いながらの中でとりあえず使ってみて、良かったので結局 Wantedly だけで全て終えた。なのでぶっちゃけ他のサービスと比較して本当に良かったのかどうかはわからないと言えばわからないのだけど。

その中で Wantedly の中の人から直接お話を聞く機会ももらえて、いろいろ聞かせてもらっておもしろかった。単に仕組みを提供するだけでなくて、就職活動という仕組みの雰囲気それ自体を変えようとしているようだったし、おかげで堅苦しい履歴書・職務履歴書を機会はほとんどなかった。 (なくはなかったけど、Quipper はなかった)
いろんな会社のいろんなすごい人たちと直接話せる機会をもらえて、それだけでも楽しい転職活動だった。相手の会社に、ブログ記事や勉強会での発表を通じて僕のことを知っている人がいる、ということもあって、そのおかげでいろいろスムーズだったので、アウトプットしてきてよかったと実感した。

その辺についてはまた別の機会に書きたいと思っている。

Quipper で働いてみて

オンライン主体のコミュニケーション

コミュニケーションのほとんどは GitHub と Slack で行なわれている。これはエンジニアやプロダクト寄りの非エンジニアの人はもちろん、ビジネスの人やカスタマーサポートの人、そして CEO も同様。プロダクトに関する意思決定はほとんどオンラインから見えるようになっていて、とてもオープン。
拠点がタイムゾーンをまたいで複数あるので、そもそもそうでないと難しい、というのもあると思う。

そういう環境なので、ちょっと前に台風のニュースがあって「このあと天気大変らしいですね」って Slack に書いたところ、あとは帰ってやろう、ということになっても全く問題がなかった。その日はそのままシュッと退社してスーパーでコロッケを買って帰って家でちょっと続きをやっておしまい。

天気ヤバそうですね、って Slack に書いたら、じゃあこのあとの定例ミーティングも中止してみんな帰ろう、ってなって弊社最高☺️

— Yuya Takeyama (@yuya_takeyama) 2015, 10月 1

もちろん口頭でのコミュニケーションやミーティングもやるし、Google Hangouts 等で海外とつないでのミーティングや情報共有もあるけど、そういうのも含めてアジェンダや資料がちゃんと共有されるので、入社前の情報もちゃんと追いかけることができる。

メールはたまにカレンダー上のスケジュールへの招待や、いくつかのウェブサービスからの通知とかが飛んでくるぐらいでほとんど使わない。

Pull Request によるコードレビュー

GitHub の Pull Request でコードレビューして CircleCI で CI まわしてイイ感じに開発してイエーイみたいな話は今でこそ当たり前に聞くけど、その辺のトピックでいうと Quipper は割と早い段階で、それもかなり具体的な方法論も含めて知られていたように記憶している。

それだけあってか、コードレビューはかなりちゃんと回っている。よく他社だと Slack でレビュアーを自動アサインするイケてる bot 作ったぜウヒョーみたいな話も聞くけど、Quipper にはそういうのは全くない (たまにこの件はあなたにも目を通して欲しい、ぐらいの感じで指名して mention することはあるが)。唯一あるのは「書いた本人以外がレビューしてマージする」というルールだけ。その点について僕が入社して質問したことで初めて Wiki に明文化されたものの、それまでは「そういうもの」としてまわっていたらしい。ウヒョー!
レビューはもちろん日本人同士だけでやるわけではないので、英語で行うし、拠点間の時差もあるが、みんな積極的にしてくれる。なのでこちらもしっかりレビューしなくては、ということで、自分にわかることは積極的に書くようにしている。そういう善意ドリブンっぽい側面もあるだろうけど、それ以上に、コードレビューという活動の重要性がカルチャーとして染みついているというのが一番大きいのだと思う。

ちなみに、僕の隣の席には Ruby の某処理系にコントリビュートしまくるパッチモンスター的な人がいて、よく鋭い指摘を受ける。その人はすごい Rubyish なコードを書くので、かなり勉強になっている。

英語

先に書いた通り、GitHub や Slack 上でのコミュニケーションは英語を主体として行われている。大学の卒業以降、これまでにちゃんと英語を勉強してきたことはないものの、英語の記事や技術書を読むようにいていたり、TOEIC の点数も日本人の平均よりは取れていたけど、入ってみるとやはり結構苦しい。
とにかく Google 翻訳・検索に頼らないと生きていけなくなってしまった。
日々便利な表現を他の人からパクリながら英文を書いているので、ちょっとずつはできるようになっている気はする。 (そう思いたい)

そんな中ではあるけど、ちょっと前にデプロイフローの改善について長文を書いて社内の合意が取れて早速取り入れられたり、今も別の提案を行って大体議論がまとまってきたりしてきている。そういう小さな成功体験を積み重ねて頑張っていきたい。

英会話については、幸か不幸か今の所必要とされる機会はあまりない。これは人によって違って、オフィス内でもよく海外のメンバーと英語で会話している様子が聞こえてきたりする。
数少ない機会としては、イギリスにいるメンバーが社内で使っている内製 CSS フレームワークについて発表してくれたことがあって、事前に用意された資料を補助線になんとか頑張って聞いていた。海外の技術系 Podcast を少しでも聞くようにしていて良かったと思った。

これは最近の話だけど、英語学習に関して会社から支援を受けられるということなので、リクルートがやっている英会話サプリを始めてみた。英会話サプリはひとことでいうといわゆる Skype 英会話的なサービスで、フィリピン人の先生から英会話の授業を受けられる。
何回か受けた感じでは、1 回 25 分話すだけでも結構疲れるけど、先生が雑談もまじえつついい感じに盛り上げてくれるので、結構楽しくやっている。
好きなバンドを聞かれてフィリピンの Juan de la Cruz の名前を挙げたところ、現地でもちゃんと伝説的ロックバンドとして認知されていることがわかって良かった。

自由な雰囲気

Quipper に入って予想以上によかったのが裁量労働であること。前の職場ではよく遅刻していたけど、今は遅くて 12 時ぐらいに出社していればいいので、今のところ遅刻はゼロ。出社時間は人によってバラバラだけど、僕は大体 11:30 前後に出社して、21 時か遅くても 22 時過ぎには帰っている。
とはいえもうちょっと早い時間にずらしてキラキラ感を出していきたいところ。10 時出社はいまのところ入社日が最初で最後になってしまっている。これはなんとか改善したいところ。

オフィスの雰囲気も自由で、ソファに座って仕事している人がいたり、じゅうたんが敷かれたリフレッシュスペースで寝そべって仕事している人もいる。休憩時間にはフーズボールとかで遊んでいる人もいる。
リフレッシュスペースはミーティングにも使われるのだけど、すごくゆったりできるので人気スポットであり、ミーティング終了後もそのままそこで仕事を続けている人が多い。
東京オフィス全体での情報共有を行うシェア会でも、会場を外のお店にするかリフレッシュスペースにするか Slack で投票を行ったところ大差でリフレッシュスペースに決まった、ということもあった。

写真はそのリフレッシュスペースで寿司を食い酒を飲みながらのシェア会の様子。
入社直後だったので自己紹介したりした。

自己紹介で、応募したきっかけとして中の人のブログ等へのアウトプット見てきて気になっていたことが大きかったので自分もやっていく気持ち、という話をした。 pic.twitter.com/lIQK9vXlYn

— Yuya Takeyama (@yuya_takeyama) 2015, 9月 9

日報カルチャー

日報を書かないといけないというルールはないのだけど、割と多くの人が毎日のように書いている。
なのでカルチャーと表現してみた。
以前は Qiita:Team が使われていたのだけど、僕が入社したときにはいろいろな理由で GitHub 内の専用リポジトリに Issue として書かれるようになっていた。

前職では日報を書くのは義務だったけど、そんな中サボっては怒られて、また書いてはいつの間にかサボって、を繰り返していた僕が誰に言われるでもなく書いているのはおもしろい。モチベーション3.0 っぽい感じで、楽しいから書いているという感じ。

日報では業務内容の報告や最近困っていることの連絡はもちろん、業務の枠からははみ出るけど技術的におもしろいネタだったり、雑談ネタからポエムまでいろいろあって、社内コンテンツとしてとても充実している。
オフィス近くにとあるパティシエの店がいかに素晴らしいかという長文ポエムもあれば、ランチパスポート買うといろいろ安くたべれて便利、という話があれば、あの店は先着 3 名しか使えない罠、という返信が来たり、旅行に行くからお土産の希望募集、とかで社内コミュニケーションにおいても大きな役割を果たしている。
つい最近は CTO が流行に乗ってプロダクトマネージャーについての長文を書いていて、それはブログに公開した方がいいのでは、と思ったりもしたけど、読みたい人はこの辺に行くともしかしたら読めるかもしれない。
(余談だけど CTO のことはずっと前にブログ記事で知ってからずっとウォッチしていたので、今その人の下で働いているのは不思議な気持ち)

買収に関して

これについては気になっている人も多いと思う。僕の場合は面接を受けている中で買収について聞かされ、内定をもらったの時点ではそれも含めてどこに入社するか考えていた。
正直に言うと、不安はそれなりにあった。単純に日本有数の大企業に買収されるのだから、ベンチャーっぽい雰囲気ではなくなってしまうのでは、というようなことはニュースを見た少なからざる人が感じたのではと思う。

だけど入ってみると全然そんなことはなかった。
コミュニケーション的には完全に Quipper に寄せる形で相変わらず GitHub/Slack 主体だし、エンジニアの意見も最大限尊重されて、すごく居心地のいい環境になっている。
僕は買収前の状態は知らないのでフェアな意見を言える立場ではないけど、それでも入社前後での悪い意味でのギャップは特になかったと思う。

ちょっと前にリクルートマーケティングパートナーズ社内のクローズドな技術勉強会に観客として参加させてもらったこともあったけど、エネルギー溢れる人が多くて刺激になったし、内容的にもレベルがすごく高かった。Quipper とはまた違った雰囲気のエンジニアカルチャーがあって、そういう人たちと交流が持てるのは嬉しいことだ。

自分の将来について考えさせられる

これは Quipper のことというよりはごく個人的なことだけど。
転職活動を始める前後にしてもそうなのだけど、自分の将来とかキャリアとかそういうことを一層考えさせられる状況になっている。
前いた環境だと自分はエンジニアとしては大体なんでもできる人、みたいなキャラとして認知されていたこともあってあんまり意識せずに来てしまったと思う。

もともと面接のときも「自分が全体の中で下の方になれる環境に行きたい」というのを言ってはいたのだけど、下の方どころか一番下になってしまった。
もちろん、エンジニアに限っても役割やスキルセットは一様ではないので、単純にこの人はあの人より上だの下だのと比較することはできないのだけど、自分にしかない強みみたいのがあまりになく、ちょっと泣きたくもなる。
今まではジェネラリストを目指していたけど、もうちょっと専門的なスキルも身につけた方がいいのでは、ということを Soft Skills: The Software Developer's Life Manual を読みながら考えたりしている。

とはいえそれを求めてやってきたというのと、インターネット越しに自分が井の中の蛙に過ぎないことはわかっていて飛び込んだ環境なので、まぁそんなもんだろうという諦めのような開き直りのような気持ちもありつつ楽しくやっている。
給料をもらいながら Be the Worst な機会を得られたことにただただ感謝するばかり。

終わりに

怒られないギリギリの範囲でめいっぱい書いたつもり。
結構長文になってしまった。
こんなに誰が読むんだ、って感じもするものの、Quipper に少しでも興味のある人に届くといいな、というのと、いい環境で楽しくやっているぜイエーイ!という気持ちで書いてみた。

今は積極採用モードは一旦落ち着いているらしいものの、この先またいろいろあると思うので、興味のある人はオフィスに遊びに来たりしてみると良いのかも。
(2018/06/09 追記: 現在Quipper は積極採用中です。詳しくはコーポレートサイトキャリアトレックをご覧ください)
どんな人がいるかはこの辺からわかるので、繋がっている人がいれば話しかけてみてください。