会社の出張で Ruby Conf Indonesia 2017 に行って来た。はじめに断っておくと、この記事にはトークの内容についての言及はない。

僕が働く Quipper はカンファレンス参加の支援制度があったり、スピーカーとしてだけでなく、オーディエンスとしての参加でも会社から一定の金額の支援があり、海外カンファレンスへの参加も推奨されている。

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が、今回はそれとは関係なく、出張としての参加だったので、当然渡航費・宿泊費は全て会社持ちで参加させてもらった。ある日いつものように仕事していると、Engineering Manager から「竹山さん、もし良かったら今度インドネシア行ってみませんか」と誘われて、いろいろ不安もあったけど「せっかくなので是非!」ということで快諾した。

仕事の内容はというと、Quipper は Ruby Conf Indonesia 2017 の Gold Sponser だったので、そのブースでスタッフをするというもの。と言っても実際にブースにはずっと HR のスタッフがいてくれて、自分はトークは全部中で座って聞き、それ以外の時間はブース周辺で、来てくれた人に会社の説明をしたり、それ以外の人にも話しかけて Quipper の話やいろんな雑談をしつつ、ビラを配ったりしていた。

インドネシア人と英語

インドネシアの公用語はインドネシア語 (Bahasa Indonesia) だが、もちろんこちらは 1 ミリも話せないので当然英語で話した。事前に調べた感じでは「インドネシア人はフィリピン人ほど英語が得意ではなさそうだ」という印象で、 (今回は日本からの自分の他に、フィリピンからの同僚も 2 人同様に参加していた) 実際フィリピン人は公教育が全て英語で行われるだけあってほぼネイティブ並みに話せるのに対して、インドネシア人は割と頭の中で翻訳しながら話しているようだった。

が、とはいえ英語に対して強い苦手意識を持っているような様子はなく、全員なかなか流暢に喋っていた。というか全員自分と同等かそれ以上だった。「向こうもそんなに得意じゃなさそうだから、逆にお互い気を使いながら最小限の語彙で話せるだろう」なんて高をくくっていたが、彼ら・彼女らを見下してしまっていたことを申し訳なく思ったし、そういう自分を恥じた。

とはいえ実際、インドネシアに着いて街で話した人たちはあまり英語が得意とは言えなさそうだった。空港で「もう Uber で予約してるから」と何度言っても無理やり「タクシー乗っていかない?」と言ってくる運転手の文法はかなりブロークンで何を言ってるのか理解するのにかなり時間がかかったし、英語で話しかけても無言でボディランゲージで返して来たりしていた。中には Uber のプロフィールで「Speaks Indonesian and English」となっている人もいたが、片言で単語ベースの会話の人もいた。普通に英会話が成立する人もいた。

だけど Ruby Conf Indonesia 2017 の会場にいたエンジニアたちはかなり様子が違っていた。そもそもスピーカーのほとんどは英語で話し、インドネシア語でのトークはかなり例外的だった。さらに驚いたのはカンファレンスの MC (1 人はエンジニア、1 人は Go-Jek の HR (?) スタッフ) がほぼ全て英語だったことだ。この人たちが英語を話していること自体は、そういう人選をすればいいだけだし、海外からのゲストが来ていることを考えると普通の選択だが、アナウンスも含めてほぼ全て英語なのは、会場にいるインドネシア人のほとんどがそれぐらいは理解できる、という期待があったからだろう。

一方、近年の日本の大規模なカンファレンスでは、同時通訳のためのイヤフォンが用意されていて、日本語から英語だったり英語から日本語に翻訳されたトークを聞くことができる。日本の RubyKaigi は Ruby の本国だけあって本当に世界中から多様なゲストが参加するので、そう言った施策はもちろん大事だし、それらを実現するために努力するカンファレンススタッフや、通訳の方々には敬意を感じるけれども、前提とされている英語力の違いを感じずにはいられなかった。

そしてさらに驚いたのが、英語が流暢なのはすでに働いている職業エンジニアだけでなく、学生でも変わりなかったということだ。現地に駐在している日本人の Country Manager に聞いても「まぁ一定以上の層はほぼみんな普通に英語喋れるイメージですね」と言っていた。

ジャカルタのベンチャー事情

時系列は前後するが、インドネシアのスカルノ・ハッタ国際空港に着いてまず思ったのは、ベンチャー企業によるスマートフォンアプリの広告が多いことだった。

  • Blue Bird (タクシー)
  • Grab (タクシー)
  • Traveloka (ホテル予約)

空港という場所を考えるとまぁ妥当なチョイスという感じである。空港からオフィスへの移動には、アプリのインストールに SMS 認証が必要という都合上、