特別何かする必要があるわけではないんですが、最新の php-build の master ブランチに 5.5snapshot の定義ファイルが入りました。
これで Generatorfinally が使えます。
しかしながら World domination は含まれないことになりました。
残念でしたね。

GitHub 上の php/php-src の HEAD を .tar.gz で落としてきてるだけなので、運悪くビルドが壊れていれば入らないこともあると思います。

個人的には前にも紹介した方法で phpenv と連携させて phpenv install 5.5snapshot などとしてインストールしています。

なお、最新の php-build は GitHub 上の好きなリポジトリやブランチを選んでビルドできるようになっています。
例えば以下のような定義ファイルを /usr/local/share/php-build/definitions 辺りに入れてやれば、リスト内包表記の実装された魔改造 PHP がビルドできます。

また、php-build を最新のバージョンにアップグレードする方法については、以下の記事が参考になります。

phpenv+php-build環境の構築と運用

個人的には面倒なんでまっさらにインストールし直したりしています。 (特に秘伝の設定ファイルとか書いてたりするわけではないので)

取り急ぎ、報告までとさせていただきます。
以上、何卒よろしくお願い致します。

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この記事は PHP5.4 Advent Calendar jp: 2011 の 20 日目です.

Travis CI とは

Travis CI は, Continuous Integration (CI: 継続的インテグレーション) を実行するクラウド環境です.
GitHub に push すると, Travis CI の VM 上に通知が行われ, GitHub リポジトリからのチェックアウトや, ユニットテストの実行が行われます.
ユニットテストの実行は成功/失敗の結果により通知が行われ, また, 履歴も Travis CI 上に残ります.

元々は Ruby 専用のサービスだったと思いますが, その後 Clojure や Node.js などをサポートし, 1 ヶ月ぐらい前に PHP までもサポートされました.

Travis CI を利用する PHP プロジェクト

これら以外にも Symfony 関連のライブラリやバンドルは多く登録されています.

ところで, 国産のものだと今のところは Diggin_Http_Charset ぐらいしか把握していません.
日本語の情報はまだほとんど無いに等しい状況なので, 日本国内の, 少なくとも PHP コミュニティにおいてはまだあまり認知されていないように思えます.

記事にするにはまだまだ調べが足りないのですが, とりあえず日本の PHP コミュニティにも広まって欲しいと思い, 紹介してみることにしました.

Travis CI で CI するまでの手順

何はともあれ, 実際に GitHub のリポジトリを登録してみましょう.

大まかに以下のような流れとなります.

  1. GitHub でのアカウント登録
  2. PHP プロジェクトのリポジトリを用意
  3. リポジトリ内に専用の設定ファイル .travis.yml を用意
  4. GitHub アカウントでの OAuth により Travis CI にサインイン
  5. Travis CI のアカウント情報を GitHub のリポジトリの Service Hooks に登録
  6. GitHub リポジトリに git push

まずは, Travis CI にサインインします.
GitHub のアカウントさえあれば, OAuth で簡単にサインインできます.

PHP のプロジェクトは何でもいいですが, とりあえずは PHPUnit のテストが書かれているものが必要です.
ちょっと試したいけど手頃なリポジトリが無い, という場合は, 以下のリポジトリを fork してやってみるのもいいでしょう.

Travis CI 用の設定ファイル .travis.yml ファイルは, とりあえず以下のようなものを用意しましょう.
これを, リポジトリ上のルートディレクトリに配置します.

設定項目は他にもたくさんあるので, 詳細は公式ドキュメントの Building a PHP Project を参照してください.

これで, git push 時に PHP5.3 と PHP5.4 の環境でテストが実行されます.
(そういえばこの記事は PHP5.4 Advent Calendar でした)

テストの実行には明示していませんが, デフォルトでは phpunit コマンドが実行されます.
PHPUnit ではデフォルトで phpunit.xml を設定ファイルとして読み込むので, これもリポジトリルートに置いておきましょう.
(ところで, よく phpunit.xml.dist という名前にしているものがありますけど, あれってどういう意味なんでしょう…)

リポジトリの Service Hooks の指定, つまりこれは push 等のイベントの発生時に Travis CI に通知を行う機能ですが, これは Travis CI 上の画面から簡単にできます.
フリックスイッチを ON にするだけです.

リポジトリの選択

リポジトリの選択

ですが, このリポジトリ一覧は最大で 30 しか表示されない問題があるようで, 登録したいリポジトリが表示されない場合は, 手動で登録する必要があります.
手動での登録は GitHub のリポジトリから Admin -> Service Hooks -> Travis と進み, 必要な情報を入力します.

Domain と User は通常空のままでいいので, Token のみ Travis CI の画面上からコピーし, Active にチェックを入れた上で, Update Settings します.

これで Travis CI で CI を行う準備が整いました.
あとは, git push すればそのタイミングでビルドが実行されるので, Travis CI の画面上で確認しましょう.
また, GitHub の Service Hooks の画面で Test Hook ボタンを押すことでもビルドが始まります.
なお, このときは GitHub 上でデフォルトで表示される設定に鳴っているブランチ (デフォルトは master) に対してビルドが行われるようです.

Travis CI のワーカの稼働状況によってはなかなか結果が反映されないこともあるので, ご注意ください.

以下は, 細かい設定について説明します.

vendor ディレクトリへの対応

開発しているプロジェクトが依存する外部ライブラリは, よく vendor というディレクトリに入れられています.
vendor ごとリポジトリに放り込むこともできますが, 通常は vendor は .gitignore に登録して, リポジトリには登録しないことが多いでしょう.

その場合, vendor ディレクトリに対象のライブラリを自動でインストールできる必要があります.

今回は, 最近開発中の Speciphy という BDD フレームワークを例に説明を行います.

今回は, Speciphy は PHPSpec に依存しているので, 事前に PHPSpec をインストールしておかないと, Travis CI 上でテストを実行することができません.
そこで, 以下のようなインストールスクリプトを, install-vendor.sh として用意します.

今回は, PHPSpec を pyrus.phar でインストールしています.
(pyrus.phar というのは次世代の pear コマンドです)
予め必要となる pear channel を登録しておくことで, 対話無しで全自動でインストールが完了します.

なお, Symfony2 だと git submodule を利用して vendor を管理していると聞きますが, これについてはあまり知らないので割愛します.
やり方はいろいろあると思うので, フレームワークに合わせたり, 自分の好きな方法を探してみてもいいでしょう.
(Composer を使うのも面白いですね)

そして, .travis.yml に, 先ほどのインストールスクリプトを, ビルドの前の準備として実行するよう, 追記しましょう.

pyrus による vendor 対応については以下の記事を参考にしました.

Behat によるテストも行う

デフォルトでは PHPUnit によるテストが実行されるのみですが, Behat によるテストも実行できるようにします.

テストとして実行されるコマンドは, .travis.yml で script という項目にコマンドを指定することで可能です.

ところで, ビルドの成功/失敗の判定は, コマンドの終了ステータスで行われているようです.
終了ステータスが 0 なら成功, それ以外なら失敗, という具合です.

つまり, 終了ステータスをきちんと指定しているテスティングフレームワークであれば, 基本的に何でも使えることになります.

そこで, テストを実行するためのスクリプトとして, 以下のような run-test.php を用意します.

環境変数 TESTING_FRAMEWORK が PHPUnit なら PHPUnit を実行し, Behat なら Behat を phar ファイルでダウンロードして実行する, というものです.
スクリプトの最後に終了ステータスを指定して exit しているので, テストの実行が成功/失敗のいずれでも適切に通知されます.

そして .travis.yml にも再度追記を行います.

今度は env という項目を追加しています.
これは, env を配列で複数指定することによって, その数だけテストを実行するというものです.

今回は PHP のバージョンに 5.3 と 5.4 の 2 種類, テスティングフレームワークに PHPUnit と Behat の 2 種類指定しているので, 2 x 2 で合計 4 パターンのビルドが行われます.
うまくいけば, 以下のような結果が得られます.
(設定は上記のものと多少異なります)

Travis CI 実行結果

Travis CI 実行結果

PHP の Travis CI を支える技術

Travis CI では, テストを実行する際の環境の実行に phpenv が使われています.
また, PHP のビルドには当初 phpfarm が, そして今後は php-build に切り替わるようです.

どのように使われているかは, このあたりを見れば何となくわかると思います.
(ただし, master がデプロイされているとは限らないので, これが最新の状態とは限らないので注意は必要ですが)

phpenv と php-build については以前に以下のような記事を書いていますので, これらが参考になれば幸いです.

蛇足: オレはこう思う

Travis CI がどういう組織で作られているのかはまだよくわかってないのですが, GitHub のアカウントページを見る限りはそれぞれ所属はバラバラですし, IT ベンチャーとかではなく, コミュニティベースの活動による成果, ということなのでしょうか.

Travis CI の PHP 対応にあたっては, phpenvphp-build の作者である CHH さん, それらを Travis CI に取り入れるべく多くのパッチを提供した loicfrering さんを初め, 何人もの開発者が関わっているようです.

こんな風にありもののツールと, 多方面からの強力が実を結び, 今までには無い手軽さで CI 環境が手に入れられるようになったことは大変素晴らしいことだと思います.

Travis CI 自体もオープンソース活動をさらに加速させるものだと思いますし, これからの PHP コミュニティにも希望が持てると感じます.

フレームワークやライブラリを開発している皆さんは, 導入を検討してみてはいかがでしょうか.

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最近イチオシの php-buildphpenv について紹介してきました.

内容はほぼ最近のブログ記事をまとめた感じです.

一度ブログに書いたものを敢えて発表ネタにしたのにはいくつか理由があります.
(もちろん, 一度記事にまとめたネタなのでスライドに起こしやすい, というのもありますが…)

  • もっと色んな人に知って欲しい
  • もっといろんな人に使って欲しい
  • まだまだこなれていない部分があり, フィードバックが必要
  • フィードバックやパッチによりもっと改善されるはず

というわけで皆さんどんどん使いましょう.

類似のツールについて

php-build および phpenv と類似の機能をもったツールは他にもあります.
勉強会でも, 例えば phpall とはどう違うのか, という質問がありました.

結論から言うと, 私は他のツールは特に使ったことが無いのでよくわかりません.
ですが, もともと rbenv は Ruby コミュニティではかなり人気のツールですし, 便利な機能はいろいろと揃っており, 比較的失敗の無い選択肢だと考えています.

また, phpall の違いとして, phpall は各バージョンのバイナリをそれぞれ php-5.2.8 といった, バージョン番号付きのファイル名にしているようですが, phpenv は php コマンド自体を自由に切り替えます.
特定のコードを複数のバージョンで一気に実行する, というときには phpall が便利そうですが, ライブラリの開発等には phpenv の方が適していると思われます.
また, phpenv においては pyrus, phar, phpunit といったコマンドも各バージョンごとに試すことができる, というのも大きな利点です.

phpenv のプラグイン機能について

元々, これまでのブログ記事をまとめただけの発表にするつもりでしたが, ひとつだけおもしろい機能を見つけたので, そこだけ新ネタです.
phpenv の元になっている rbenv にはプラグインという機能があり, 専用のディレクトリにシェルスクリプトを配置するだけで簡単にサブコマンドを登録できる, というものです.
当然 phpenv でも使える機能です.

phpenv each によるコマンドの一斉実行

rbenv のプラグインとして公開されているものの中で, とりあえず rbenv-each というものをつかってみました.
これは rbnev (もしくは phpenv) の管理下にある全てのバージョンのバイナリで, 指定したコマンドを実行する, というものです.

とりあえず, php -v によるバージョンの確認を試してみました.

phpenv each によるバージョンの一斉確認

phpenv each によるバージョンの一斉確認

これ自体はあまり意味の無い例ですが, 例えば PHPUnit によるユニットテストを, 複数のバージョンの PHP で一斉に実行できるすれば, ライブラリ作者に取ってはかなり便利なのではないでしょうか.
それについてはいずれ調べて, また記事にしたいと思います.

このように, php-buildphpenv にはまだまだ便利な使い方がたくさんあるはずです.
利用者が増えることで, そういったノウハウが発掘され, 共有されることを心から願います.

最後になりますが, 今回の勉強会の主催の @gusagi さん, そして会場提供の株式会社 VOYAGE GROUP さん, 楽しい勉強会を本当にありがとうございました.

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